12.12
おかゆがない! うどんもない! ロンドン入院中の食事・体験談
2023年、わたし伊藤英里は半年ほど、イギリス・ロンドンを拠点にしてMotoGPを取材して回っていました。こんなに長く日本を離れたこともなければ、当然、こんなに長く海外にいたこともありませんでした。だから、ある程度の覚悟はね、していたんですよ。なにしろ、日本とは違う常識、文化を持つ国に「住む」わけですから、何かびっくりするようなトラブルがあるんだろうと。
しかし、しかしです。1週間、ロンドンの病院に入院して、軽い(切開はなし)オペまで受ける羽目になってしまいました。これは完全に、想定外だ……!
もちろん大変だったのですが、それよりも、個人的になかなかおもしろい経験ができたなあ、とも思っています。転んでも、ただじゃあ起きません。というわけで、今回つづっていくのは、イギリス・ロンドンの病院の食事についてです。
入院初日に出てきた夕ごはんは、「ツナサンド」でした。その後はメニューを渡されて自分で食事を選んだのですが、そのメニューがまったくもって、普通の食事なんです。例えば、ある日の夕食にわたしが選んだのは「サーモンとほうれん草のトマトパスタ」でした。
今回、わたしは重度の子宮内膜症になってしまったので、つられて胃腸の調子も最悪だし、40度近い熱もあって、普通のごはんなんて食べられない状態。だけど、メニューに並ぶのはどれを選んでも「重い」ごはんなんですよ。日本でいう煮魚やおかゆ、具のないみそ汁に相当するメニューが……ない。とほほ。あのときほど、おかゆやうどんが恋しかったことはありません。ちなみに、入院したのは大きな総合病院で、施設もかなり整っています。
現地に10年以上住む日本人に聞いてみたら、イギリスには日本でいう病人食のようなものはないみたいなんですね。確かに、入院する前、お腹を抱えてうなっていたら、ホームステイ先の人が「(冷凍でチンすればすぐ食べられる)ラザニア買ってこようか?」と言ってくれたこともありました。
しかし、しかしです。例えば胃潰瘍のような病気の人は、どんな食事をしているのでしょう。いくらなんでも、普通の食事はできないのでは……。胃腸の強さが日本人とは違うのでしょうか。今回、そんな謎は残りました。
「食文化の違いって、こういうところまで出るんだなあ」と、興味津々に思いました。「文化の違い」「常識の違い」を覚悟していたつもりでしたが、まだまだ奥が深いです。しかしだからこそ、その違いを知ることがおもしろいなあ、とも思います。
そうそう、今回の入院では、電話を通して医療通訳をお願いしました。医療用語というのは日本語でさえ難しいことがありますから、専門家の力を頼るのがベスト。あいまいな認識が、いちばん危険だと思ったからです。海外旅行保険は医療通訳がついているか確認する! と学べたことも、よかったなあと思います。
何事も、経験ですね!
このブログはわたし伊藤が、MotoGPなどの海外レース取材のために訪れた先で出会ったいろいろなことを書いていくところです。
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